「こどもの王国保育園」東日本橋にて茶道体験の講師を勤めさせていただきました。
約1年前に茶道体験を、3〜5歳児を対象に開催し、ありがたいことに再度ご依頼いただき2回目の体験会となりました。
わずか1年ではありますが、こどもたちの大きな変化や成長を感じました。
こどもの王国保育園東日本橋園での茶道体験会
こどもの王国保育園では、定期的に伝統文化や世界の文化に触れるような時間を定期的に設けています。
東日本橋園では、5〜6人のグループにわかれて、それぞれに
- 挨拶・正座の練習
- 抹茶の点て方・実践
を一緒に行いました。
年長組(4~5歳)は、とにかく好奇心旺盛な子が多く
「茶筅って何でできてるの??」
「抹茶って、他のお茶と一緒?ちがう?」
など、抹茶から茶道に関しての質問が、とてもたくさん出てきました。
前回は、初対面だったからか恥ずかしいがるこどもたちが多かったですが、今回は最初から興味津々で賑やかな雰囲気に。
茶道は、心や感性で感じることが多い一方で、その行動を行う理由がひとつずつあります。
その理由を理解するだけでも、こどもたちの行動が変わります。
だからこそ、動きひとつずつ「なぜやるのか」を丁寧に説明していきます。
西池袋園と同様に、ほとんどの子が薄茶を完飲。
こんぺいとうや干菓子と一緒に、美味しくいっぷくできたみたいです。
去年は、「苦い〜」「まずい〜」という声が多かったことを受けて、苦味が少なめの宇治抹茶を選んだのがよかったのかもしれません。
茶道を初体験するときに、どんな抹茶に触れるかで、そのものに対するイメージは大きく変わってきます。
たとえば、ものすごく苦い抹茶を飲んだことで、抹茶だけでなく茶道自体を嫌いになってしまうことが多々あります。
そのため茶道体験のときには、初めての体験というのをすごく大事にしています。
今回の保育園での茶道体験をきっかけに、抹茶や茶道に興味をもってもらえたら嬉しいです。
そして、2グループめの年中組(3〜4歳)は、恥ずかしがりながらも、挨拶やお辞儀をしっかり行うことができました。
まだ抹茶を上手に点てることは難しかったですが、黙々と集中して抹茶を点てているのが印象的でした。
終始和やかな雰囲気で楽しい時間をすごすことができました。
個性豊かな、こどもの王国保育園。(公式HPはこちらから)
そんな個性あるこどもたちと一緒に、抹茶を楽しむことができ、今後さらなる個性や感性を育んでいって欲しいなと心から思いました。
茶道体験が終わったあとに、「お母さんとお父さんにも見せたいから、もっとおしえて!」と伝えてくれた子もいました。
日常の場面でもやってみたいと思ってくれるような子、体験会以外の日常生活にも茶道への姿勢が活きてくるような子を増やしていきます。
保育園での茶道体験の流れ
全体で40〜60分くらいで開催します。
千休で行っている茶道体験教室は、茶道の作法を1からしっかりと教えるお稽古とは少しちがいます。
茶道のなかでも大切な部分を切り取って、茶道への興味をもつきっかけの提供や、精神的な部分の学びを目指してカリキュラムを組んでいます。
step1 抹茶とは?茶道とは?について理解してもらう
抹茶って何からできたのか?
茶道とは、そもそも何か?
大人になっても、正確に答えられる人は少ないのではないでしょうか?
こどもたちでも理解しやすく興味が湧くように、 質問形式で抹茶や茶道について解説します。
step2 姿勢とあいさつの練習
茶道をやるときの基本の「キ」となる、姿勢とあいさつの練習をします。
正座は、自分の気持ちをスッと落ち着かせるためのお決まりのポーズみたいなものです。
いろんなところに気が向きがちな時期だからこそ、茶道での姿勢を学んで、気持ちを落ち着かせる練習が重要になってきます。
そして、茶道に限らず、どこでも活用できる、あいさつの練習。
茶道としての挨拶なので普段の言葉遣いとは少し違いますが、その違いも楽しみながら「なぜあいさつをすることが大事なのか」という根本的な部分から学んでいきます。
step3 抹茶を点ててみる
道具の説明を行い、実際に抹茶を点てます。
最初は、なかなかうまく点てるのが難しいですが、コツをつかめばできるようになります。
お手本をこどもたちにしっかり見てもらったあと、抹茶をお茶碗と茶筅をつかって点てます。
ここでグッと集中力をつかう子も多く、「夢中」の状態を作りだします。
(※これが大人になると「瞑想」という形につながります)
step4 抹茶とお菓子をいただく
和菓子(おまんじゅうや干菓子)と一緒に、抹茶をいただきます。
お菓子と一緒に抹茶をいただくことで、抹茶の感じ方も変わってきます。
その変化を感じながら、抹茶がどうだったか感想を自分の口で伝える時間も設けています。
なぜ保育園で茶道体験を行うのか
1. 自分自身の気持ちをコントロールするため
茶道は、「道」という文字がついているように、修行の一種でもあります。
心を落ち着けて、目の前に集中する。
大人でも難しいものです。
ただ、これを自分でコントロールできるようになると、
- 緊張しているとき
- 不安が大きいとき
- 焦っているとき
などに自分を客観視し、冷静に判断ができるようになります。
好奇心旺盛な時期(3~5歳)だからこそ、茶道で短時間でもいいから集中することを学ぶことで、自分で切り替えをうまくできるようになり将来に活きてきます。
できるようになるまでには反復が必要ですが、茶道体験では、そういった集中するタイミングを、1回のカリキュラムの中に所々に詰め込んでいるので、楽しみながら集中する感覚を掴むことができます。
2. 感性を磨くため
茶道には、抹茶を飲んでたのしむ以外に、お茶碗やお花、言葉など、日本の文化や感性がちりばめられています。
茶道体験の中では、そういった感性を自分で感じて表現できるように
- 自分で好きな器を選ぶ
- 抹茶を点ててみてどうだったか言葉にする
など表現力を鍛えていきます。
感性が豊かな人は、日常生活も豊かになります。
幼少期からそういった視点を持てるようにすることで、いろんなことを感じ取れるようになり、またそれを人にも共有できるようになるのです。
3. 和の文化を実際に体験して興味をもつため
百聞は一見に如かず
ということばがあるように、体験に勝るものはありません。
幼少期に体験したこと、触れたものというものは、不思議なことに大人になっても覚えているものです。
だからこそ、早い段階で質の高い体験をすることで、興味をもちつづけ、日本文化のみならず、海外の文化への興味が湧いたり、陶器やお花に意識がいくようになります。
また、挨拶や姿勢も、日頃の習慣があらわれる部分です。
茶道体験会では、そういった日常でも役立つような部分もこどもたちに伝え、こどもたち自身が学び活かせるようにします。
お問い合わせはこちらから
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ご相談だけでもかまいません。
その他の茶道体験の実例・実績
「こどもの王国保育園」西池袋園にて茶道体験の講師を勤めさせていただきました(2022.03.07)