「こどもの王国保育園」西池袋園にて茶道体験の講師を勤めさせていただきました。
約1年前に茶道体験を、3〜5歳児を対象に開催し、2回目の体験会となりました。
わずか1年ではありますが、こどもたちの大きな変化や成長を感じました。
こどもの王国保育園西池袋園での茶道体験会
こどもの王国保育園では、定期的に伝統文化や世界の文化に触れるような時間を定期的に設けています。
その一貫として、古くから続く「茶道」の体験を…ということで、依頼していただきました。
1年前行った際は、
- 茶道が何かがわからない子
- 正座をずっとしていることができなくて動きまわってしまう子
- 挨拶が恥ずかしくてできない子
がほとんどでしたが、時が立ち2回目の開催ということもあって、
「茶道って何か知ってますか〜?」
と聞くと
「抹茶をつかって、しゃかしゃか混ぜること!」
と大まかではありますが、何をやるのかをしっかりと掴んで元気に回答してくれました!
また、正座の仕方や姿勢を伝える前から、自然と綺麗な立ち居振る舞いになり、挨拶もしっかりできるように。
挨拶を恥ずかしがる子もいましたが、お話をしっかりと聞いて最後まで集中して体験してくれて、集中力が向上しているのも実感しました。
何より嬉しかったのが、9割近くのこどもが抹茶を完飲したこと。
私の記憶が正しければ、前回は「苦い〜〜飲めない〜〜」という子が何人かいて残してしまっていました。
茶道体験では、あくまで自分の意志に従いながら抹茶に興味をもってもらうことが目的なので、苦手な抹茶を無理やり飲ませることはありません。
ただ、前回の飲み残しが多かった事実を受けて、今回は苦みがすくない宇治抹茶を選んで体験会に臨みました。
その結果、「おいしい!」「全然苦くないじゃん!!」といった感想を伝えてくれ、お菓子と一緒に美味しそうに飲んでくれたのです。
もちろん、抹茶なので苦くないということはありません。
月日が経って、味覚が大人になったのかもしれないですね!
最後に、振り返りとあいさつをして、この日の茶道体験会は終わりました。
保育園での茶道体験の流れ
人数にもよりますが、40〜60分で茶道体験回を行っております。
厳密には茶道の作法すべてを教えているわけではありません。
茶道のなかでも大切な部分を切り取って、茶道への興味をもつきっかけの提供や、精神的な部分の学びを目指してカリキュラムを組んでいます。
step1 抹茶とは?茶道とは?について理解してもらう
抹茶って何からできたのか?
茶道とは、そもそも何か?
大人になっても、正確に答えられる人は少ないのではないでしょうか?
こどもたちでも理解しやすく興味が湧くように、 質問形式で抹茶や茶道について解説します。
step2 姿勢とあいさつの練習
茶道をやるときの基本の「キ」となる、姿勢とあいさつの練習をします。
正座は、自分の気持ちをスッと落ち着かせるためのお決まりのポーズみたいなものです。
いろんなところに気が向きがちな時期だからこそ、茶道での姿勢を学んで、気持ちを落ち着かせる練習が重要になってきます。
そして、茶道に限らず、どこでも活用できる、あいさつの練習。
茶道としての挨拶なので普段の言葉遣いとは少し違いますが、その違いも楽しみながら「なぜあいさつをすることが大事なのか」という根本的な部分から学んでいきます。
step3 抹茶を点ててみる
道具の説明を行い、実際に抹茶を点てます。
最初は、なかなかうまく点てるのが難しいですが、コツをつかめばできるようになります。
お手本をこどもたちにしっかり見てもらったあと、抹茶をお茶碗と茶筅をつかって点てます。
ここでグッと集中力をつかう子も多く、「夢中」の状態を作りだします。
(※これが大人になると「瞑想」という形につながります)
step4 抹茶とお菓子をいただく
和菓子(おまんじゅうや干菓子)と一緒に、抹茶をいただきます。
お菓子と一緒に抹茶をいただくことで、抹茶の感じ方も変わってきます。
その変化を感じながら、抹茶がどうだったか感想を自分の口で伝える時間も設けています。
なぜ保育園で茶道体験を行うのか
1. 自分自身の気持ちをコントロールするため
茶道は、「道」という文字がついているように、修行の一種でもあります。
心を落ち着けて、目の前に集中する。
大人でも難しいものです。
ただ、これを自分でコントロールできるようになると、
- 緊張しているとき
- 不安が大きいとき
- 焦っているとき
などに自分を客観視し、冷静に判断ができるようになります。
好奇心旺盛な時期(3~5歳)だからこそ、茶道で短時間でもいいから集中することを学ぶことで、自分で切り替えをうまくできるようになり将来に活きてきます。
できるようになるまでには反復が必要ですが、茶道体験では、そういった集中するタイミングを、1回のカリキュラムの中に所々に詰め込んでいるので、楽しみながら集中する感覚を掴むことができます。
2. 感性を磨くため
茶道には、抹茶を飲んでたのしむ以外に、お茶碗やお花、言葉など、日本の文化や感性がちりばめられています。
茶道体験の中では、そういった感性を自分で感じて表現できるように
- 自分で好きな器を選ぶ
- 抹茶を点ててみてどうだったか言葉にする
など表現力を鍛えていきます。
感性が豊かな人は、日常生活も豊かになります。
幼少期からそういった視点を持てるようにすることで、いろんなことを感じ取れるようになり、またそれを人にも共有できるようになるのです。
3. いろんなことに興味をもつため
前述した「感性を磨くため」にもつながりますが、茶道を学ぶと、いろいろなことに興味をもつきっかけにもなります。
いろんなことに興味をもつようになることで、自分の中で課題や疑問を自発的に生み出せるようになったり、幅広い教養を身に着けたりすることができるのです。
「茶筅って何からできてるか知ってる?」
「春はどんなお花が咲いているか知ってる?」
「お茶碗はなんでこんなに大きいんだろう?」
いろんなことに興味がわくように問いかけながら、こどもたちからも質問がでるような流れをつくっています。
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