「自分のお気に入りの抹茶ラテを作りたい!」
そう口に出すのは簡単ですが、実際に商品を作って販売するのは簡単ではありません。
商品開発、デザイン、パッケージ、コンセプト、経営…。
「千休」という会社を立ち上げて、商品を作った代表の久保田に商品を作るまでのデザインのこだわりについて聞いてみました。
可愛らしさと上品さを兼ね備えた千休のパッケージデザイン
─── よろしくお願いします!さっそくなんですが、千休の抹茶ラテのパッケージデザイン、とても可愛くて素敵です…!どのようにデザインを設計していったのですか?
久保田:もともと自分の中で好きなブランドがいくつかあって、そのブランドのパッケージなどをたくさん参考にしました。
─── 好きなブランドというのは?
久保田:Apple、Starbacks、BAKE、ディズニーです。どのデザインも、余計なものがなく洗練されつつも可愛らしく温かみがあって、一瞬で目を惹くんですよね。
─── たしかに、どれも可愛らしい印象がありますね。
久保田:抹茶の商品がたくさん世に出回っている中で、手にとってもらうには?と考えたときにAppleのiphoneみたいに熱狂的なファンを作りたいなって思っています。「千休」を持っていて嬉しい、飲んでいる自分に満足できるようなものにしたかったんです。
─── 他のものと一味違う感じに。
久保田:はい。抹茶の商品って、缶ものや可愛いらしい和紙を巻いたようなのって結構世に多いんですよね。「千休」は、パッと目を引くようにシンプルなものにしたくて黒か白の色にしようと思いました。
─── なるほど。
久保田:周りの人にも色々聞いて、最終的に黒色のパッケージにしました。黒の方が引き締まって見えるかな、と。
「ありがとう」という意味を込めて、人にプレゼントしたくなるようなものにしたかったんですよね。
─── そうなんですね!この開閉口を三角形にしたのも理由があったりしますか?
久保田:そうですね。やっぱり開けやすさを考えたときに、直方体よりもこの形の方が開けやすかったんです。直方体のものなど色々試作を作ったりしたので、今は家に大量の箱があります(笑)
久保田:あと、この形にすることで、いくつか商品が並んだときに可愛いんですよね。可愛らしさもありつつ、上品さも漂わせるようなデザインにしました。
抹茶本来の良さを伝えるために商品化に踏み切る
─── この商品は、やっぱり20代ぐらいの若い方を対象に作られているんですか?
久保田:ターゲットは、男女関係なく20代後半〜30代前半です。この年代って、ちょうどモノにこだわりたくなる時期。家具やお皿、食事とかにこだわり始めると思うのですが、そこに抹茶を一つのレパートリーとして入れてもらいたくて。
─── なるほど。抹茶は体にも良いし、千休の抹茶ラテは無添加で素材にもこだわっているのでぴったりですね。
久保田:そうなんです。最近は抹茶スイーツも世の中に広がってますが、少し表面的な部分しかみられていない気がして。しみじみと「抹茶って良いなあ」と感じるような本質的な部分にハマって欲しいんです。
─── たしかに、見た目ばかりに注目が集まっている気はします。
久保田:だからこそ、抹茶メディアを作ったり、抹茶ラテを入り口にお茶の文化や茶道などにつなげていけたりしたらいいなあと思います。
─── いずれは世界にも広げていく感じですか?
久保田:そうですね。世界に店舗を持ちたいですね。茶室カフェとかはやってみたいと思っています。茶室って、日本の文化が凝縮されているので。
─── >素敵ですね…!
千休のロゴデザインのこだわり
─── ロゴにはどんな意味が込められているのですか?
久保田:全部理由の説明できるロゴにしたかったのですが、全体としては、茶せんを混ぜているお椀の渦巻きを表しています。ロゴのカタチは絶対に○(まる)にしようと決めていました。
─── それはなぜですか?
久保田:○(まる)って、調べたら調和とかの落ち着くカタチなんですよね。また、構造を点対称にして、見ていて気持ちが良くなるようなデザインにしました。線の細さも色々あったのですが、和紙と馴染むようにしたくて色々試しました。
─── たしかに落ち着くデザインで抹茶の世界観とぴったりだと思います!この桜の花びらも素敵ですね!
久保田:桜はやっぱり日本を代表する植物なので。あと、これがない状態だと少し色合いが寂しかったのもあります。
─── なるほど…。他にもこだわった部分とかありますか?
久保田:「千休」という文字を縦書きにしようっていうのは、決めていました。日本語は縦書きにした時の独特の美しさがあると思うのですが、最近それが失われていっている気がして。縦書きのパッケージってあんまり無いと思いませんか?
─── そう言われると、パッと思いつかないですね。
久保田:ですよね。そういう日本本来の美しさが抹茶と重なるところもあるし、その良さを伝えたくて縦書きにしました。
─── 「千休」の上の「itsumo」や「oyasumi」は英語にしたのにも理由が…?
久保田:やっぱり抹茶の良さを海外にまで広めたいので、外国の方が見たときに目にとまりやすいように英語にしました。「千休」という名前も、海外の方が「センキュー」って言いやすいと思ったのもあります。
─── 「千休」は、「千利休」とありがとうの「センキュー」を重ね合わせているんですか?
久保田:そうですね。他にも色々候補はあったのですが、最終的に千利休の誰でも知っている分かりやすさと意味の重なりでこれにしよう!って決めました。人にも色々聞いてみて一番良かったのにしました。
─── ちなみに、他の名前の候補はどんなのが…?
久保田:えっと…。他のは印象が薄すぎてちょっと思い出せないです(笑)
─── そうなんですね!(笑)ロゴデザインへのこだわりが特に強いなと感じたのですが、やっぱり商品を作るまでで一番大変だったのはロゴデザインですか?
久保田:そうですね。私の最上志向(ストレングスファインダーの資質)が強すぎて、デザイナーの小宮さん(@komisukee )にたくさん注文を言ってしまって。「なまっちゃカフェ」のリリース前にロゴを出す〆切があったのですが、その1時間前くらいまでずっと作ってました。
─── 1時間前はすごいですね….!
久保田:そうなんです。自分の中のイメージを相手に伝えるのが難しくて…。ここはもう少し太くしたいとか、フォントや細さが中々カチッとはまるものがなくて色々試しました。ロゴって、会社のイメージも決まってくるので、一番苦労しましたね。
─── やっぱりロゴは大切ですよね…!
久保田:ですね。でも、今後ずっとこのデザインにしていくつもりは無くて。「こっちの方が良い!」と思ったら、固執せずに変えていきたいなとは思っています。今後は世界にも抹茶の良さを広めていきたいので、多くの人に認知してもらいやすいデザインにしていきたいです。
こだわりの詰まった千休の抹茶ラテ
実際にお話を伺ってみて、随所までこだわりが詰まっているんだなと感じました。
「千休」代表の久保田の「抹茶の良さをもっと世の中に広めたい!」という想いが伝わるような素敵なデザイン。
実際にお話を聞くことでそこまで考えて作っているのか…!とびっくりすることばかりでした。
千休の抹茶ラテは、無添加で体にも良いし、本当にびっくりするくらいおいしいのでぜひ一度飲んでみてください!!
photo by @mck0129