みなさんが飲んでいる抹茶。
こんなイメージではないでしょうか?
いわゆる一般的に飲まれている抹茶は、「薄茶(うすちゃ)」と言われています。
実は、この薄茶以外にも、もう一つ種類があるんです。それが「濃茶(こいちゃ)」。
薄茶は「お薄(おうす)」、濃茶は「お濃(おこい)」とも呼ばれ、文字からもわかるように、この2つには主に抹茶の濃度に違いがあります。
また、濃度だけでなく、茶葉・作り方・茶碗などにおいて、たくさんの違いがあり、ただ濃いだけではないのが濃茶です。
今回の記事では、薄茶と濃茶の違いをわかりやすく解説していきます。
濃茶と薄茶の違いは?抹茶の種類から、作り方まで
濃茶は、なんと薄茶の2倍もの量の抹茶を使用しています。
また濃茶には抹茶をふんだんに使用するため、美味しい高級な抹茶を選ばなければいけません。
そうでないと、渋みと苦味がかなりきつくなってしまうのです。
濃茶用の高級な抹茶を購入する際の簡単な見分け方としては、抹茶についている名前を見ることです。
薄茶には「白」、濃茶には「昔」とついてあることが多いので、ぜひチェックしてみてください。
またわからない場合は、お店の人に聞くと、丁寧に教えてくれます。
濃茶 | 薄茶 | |
1杯に使われる抹茶の量 | 約4g | 約2g |
薄茶は、抹茶2gに90度以上の熱湯を60ml注いで茶筅を使ってシャカシャカ泡立てるようにまぜ、これを「点てる」といいます。
一方で濃茶は、抹茶4gに80度前後の湯を40ml注ぎ、薄茶のように泡だてずなでるように混ぜます。
ここでは、抹茶を「練る」というのです。
濃茶は、抹茶が多い上に水分量が少ないので、とろっとした濃厚で芳醇な味わいになります。
好き嫌いはありますが、ぐっと抹茶のコクが詰め込まれていながらもミルキーな味わいです。
濃茶 | 薄茶 | |
作るときの言葉 | 「練る」 | 「点てる」 |
薄茶と濃茶はここもちがう!?茶碗で抹茶の楽しさが広がる
薄茶と濃茶では、抹茶碗の種類もちがうことをご存知ですか?
薄茶を飲む際は、季節に合わせた美しい絵柄が入っているのが特徴で、格の上・下に関係なく好きな茶碗を選んで飲みます。
薄茶の茶会では「茶碗についての会話を楽しむ」という風習があるため、様々な形・色・模様を選ぶことができます。
濃茶を飲む際は、格の高い茶碗である楽焼の楽茶碗を使います。
楽茶碗は、柄が入っていないのが特徴で、ろくろを使用せず手とへらだけで成形する「手捏ね」(てづくね)と呼ばれる方法で成形されています。
千利休らの嗜好を反映した、手捏ねによるわずかな歪みと厚みのある形状は、シンプルでありながら趣があり、侘び寂びを表現しているのが伝わってきます。
また、80度前後の湯で抹茶を作るため、熱を逃さないように厚手の茶碗を使っており、2〜5人で1つの茶碗を回し飲みするので、茶碗は大きめサイズです。
一般的なお茶席では薄茶が出されるので、茶道を習っていない人は薄茶のほうが馴染深いのではないでしょうか?濃茶のお茶席は格式が高く、なかなか茶道経験者じゃないと難しいかも。ただ、最近は濃茶が飲めるカフェも増えてきているので、ぜひ足を運んで味わってみてください。
薄茶と濃茶、特徴は違えど魅力的なのみもの
薄茶 | 濃茶 | |
抹茶の種類 | 好きな抹茶で良い | 濃茶用の抹茶を使用する |
作り方 | 抹茶を泡立てるように点てる | 抹茶をなでるように練る |
茶碗の種類 | 好きなものを使用する | 楽茶碗を主に使用する |
薄茶と濃茶の世界。
「薄い」「濃い」と言われると、濃度の濃さだけがその違いを生んでいるようですが、実は様々な違いがあるのです。
当サイトを運営する抹茶専門ブランド・千休では、薄茶だけでなく濃茶でも使えるような質の高い宇治抹茶だけを使用しこだわりの商品を販売しています。
「ほんのしるし」は、本格宇治抹茶そのものの美味しさを堪能できる千休自慢の商品です。
無糖かつこだわりの茶葉を使用しているので、今回紹介した濃茶にして楽しむこともできます。
ぜひ一度、薄茶と濃茶を作ってそれぞれの味わいを比べてみてください。
また新たな抹茶の世界が広がります。